軍縮の現状

核兵器、生物化学兵器、対人地雷

cc Marcello Casal JR/ABr

1998年、インドとパキスタンによる相次ぐ核実験の実施。2016年の北朝鮮による核保有宣言以来、第三世界の核に関する懸念と緊張が高まっています。これ以上核保有国を増やさないためにも、核分裂を伴う核実験を封じこめて行く姿勢が必要ですが、核実験を全面的に禁止する条約(CTBT)は締結されたものの、インド、パキスタン、北朝鮮がまだ批准しておらず、条約は発効していない状態が続いています。世界には、インド、パキスタン、北朝鮮以外にも核保有を確実視される国や、やる気になれば核開発が可能な国があります。アメリカとソ連の核軍拡競争が終って一息ついた世界は、かえって第三世界の核に悩ませられるという皮肉な結果になったわけです。

 その一方で、イラン・イラク戦争以来、生物・化学兵器の使用に対する国際的非難の高まりを背景として、核以外の大量殺りく兵器を全廃する国際的な動きが進んでいます。対人地雷全廃への動きも含めて以下に見ていきましょう。