仏領ギアナ

cc ArnoldPlaton

1.仏領ギアナの歴史と現状を教えてください。

 フランスは、同地域で繰り広げられたイギリスとオランダの領土争いの合間を縫って、密かにカイエンヌ港を建設しますが、すぐにつぶされてしまい、以後はイギリス、オランダとの陣取り合戦に参加することになりました。

 1713年、フランスは総督を送って、ギアナの本格的な植民地化を開始しますが、フランス革命後の政治的混乱時代には、政治犯の「島流し」の地としても有名でした。実際、沖合にはデビルズ島(悪魔島)という流刑囚の監獄島が今でも残っています。

 さて、ギアナは1809年にポルトガルに占領されますが、1814年にオランダ、イギリスの了承を得て、正式にフランス領となりました。黒人労働力に頼っていた砂糖産業は、1848年の奴隷解放令により停滞。以後、インドからの労働者に頼ったところまではガイアナ、スリナムと同様でしたが、1855年に小規模な金山が発見されたことで、人口が内陸部に移ってしまい、労働力の不足からその後の産業の発展は著しく阻害されてしまいました。現在、仏領ギアナでは、自国の食糧も自給できない状況にあり、開発も停滞したままです。

 ギアナは1946年に植民地から正式にフランスの海外県となり、住民はすべてフランス国籍を持っています。75年にはベトナム戦争後に南ベトナムから輩出された大量のベトナム難民を受け入れました。香辛料のカイエンヌペッパーは、仏領ギアナの首都カイエンヌから命名されたもの。またフランスのロケット発射を請け負う、ギアナ宇宙センターがあることでも有名です。

 ちなみに、フランスは現在、海外領土、海外県という二つの「植民地」を持っている、数少ない国の一つです。

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