プロフィール
橋本光平(はしもとこうへい)
海外の大学から帰国した際、しばらく大学で非常勤の講師をしていた時代があって、その時に日本の大学生があまりにも海外の事情を知らないことに少なからずショックを受けました。海外に興味がないことはないと思うのですが、普段交わされる会話の中に海外の政治や経済のことが話題に上がることは数少なく、それもそのはず、新聞やテレビでも、海外の事情を深く取り扱う機会はまれでした。少なくとも自国と同じ頻度で自国以外の政治経済情報が飛び交う欧州のメディアとは全く性格が異なる状況でしたから、海外の事情に学生たちの興味が向かわないのも無理のないことでした。
私が担当する講座が国際関係論ということもあって、手始めに参考書を探しましたが、これが苦労の連続。まあ、20年も前のことでしたから、学術書に毛の生えたような、お堅い本ばかり。手っ取り早く世界の現状を理解するための本は皆無でした。国際関係は論ずるもので、常識として身に着ける事柄ではなかったのですね。
そこで、自分で教科書を書くことにしました。もう絶版になっていますが、『国際情勢早わかり』(PHP研究所)というシリーズで、1996年から7年間書かせていただきました。個人的な事情から執筆を取りやめて以来18年が経過したわけですが、今回、コロナウイルスという、国境を越えた脅威が認識される中で、国と国との関係を、自分自身でもう一度見直して頭を整理していこうと思い立ち、HPを立ち上げることにいたしました。
何しろ18年間のブランクがあるものですから、その間に国際情勢は様々な変遷を遂げています。その一つ一つについて、時間はかかりますが整理していきたいと思います。ですから、ここに掲載されている情報は、アップデートが必要なものばかりです。いわば工事中の情報ばかりですが、そこまでの基本的な国の歴史と背景は変わりませんから、それを踏まえたうえで上手に参考にしていただければと思います。