タタール独立運動

 タタール人は15世紀、西ウラル地方にカザン・ハーン国を興したトルコ系イスラム教徒の一部ですが、ロシアのイワノフ雷帝に征服されて以来、ロシアの支配を長く経験しました。1920年に、この地はタタール自治共和国として自治権を与えられ、その後タタール自治ソビエト社会主義共和国として存続してきましたが、ムスリム諸民族の統合を前提とした独立への思いは消えることなく、とうとう1990年8月には共和国主権宣言を行い、92年には独立を宣言。その後ロシアとの交渉で94年2月よりタタールスタン共和国の名称でロシア連邦に参加しています。独立の動きの過程で武装闘争的な動きはありませんでしたが、民族的には人口の48%がタタール人、43%がロシア人と拮抗しているため、今後民族主義的な動きからは目が離せません。

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